「もぬけの殻」になっている生徒へのアプローチ方法
生徒の中に、目標も意欲も感じられず、ただ日々を淡々と過ごしている生徒が少なからずいます。こちらが話をしても「暖簾に腕押し」のように、何を伝えても反応が薄い。このような状態の生徒を見ると、大人としてはどう対応すれば良いのかと悩むことも多いでしょう。
今回は、そんな「もぬけの殻」状態になっている生徒にどうアプローチしていくべきかを考えてみたいと思います。
なぜ「もぬけの殻」状態になるのか?
まず、なぜそのような状態に陥ってしまうのかを理解する必要があります。以下のような理由が考えられます。
-
-
1.目標が見つからない
何を目指せばいいかわからず、目標を持つこと自体を諦めている。 -
-
2.自信の喪失
過去の失敗や挫折により、「どうせ自分には無理だ」と自信を失っている。 -
-
3.環境の影響
家庭や学校での環境が意欲を削いでしまう場合もあります。過剰な期待や無関心な対応がその原因となることがあります。 -
-
4.行動する意味がわからない
勉強や部活に対して、「何のためにやるのか」が見えず、ただ漫然と時間を過ごしている。
どう対応するべきか?
「もぬけの殻」状態の生徒に対して、無理に変化を求めても逆効果になることが多いです。まずは生徒自身の気持ちを少しずつ引き出しながら、適切な対応を心がけましょう。
1. 寄り添う姿勢を見せる
生徒が意欲を失っているときは、無理に叱ったり、期待を押し付けたりしないことが大切です。「最近どう?」と軽い声かけをしたり、日常のちょっとした話題を共有するだけでも、相手の気持ちが少しずつ開くことがあります。
2. 小さな成功体験を積ませる
いきなり大きな目標を持たせようとするのは逆効果です。まずは「これならできるかも」という簡単な課題を与え、それを達成させることで自己肯定感を少しずつ取り戻させましょう。
3. 目標を一緒に探す
生徒にとっての「やりたいこと」や「興味があること」を一緒に考える時間を設けましょう。たとえば、「今好きなことって何?」と尋ねるだけでも、次のステップにつながるきっかけになることがあります。
4. 行動の意味を教える
勉強や部活、日常のルールなどに対して、「これをする意味」を具体的に伝えることで、生徒自身が行動の必要性を感じることがあります。「今の小さな努力が未来にどうつながるのか」を分かりやすく話すのがポイントです。
5. 一歩踏み出す勇気を与える
「一緒にやってみよう」と声をかけ、自分だけでは難しい一歩をサポートします。一度動き出せば、少しずつ意欲や目標が芽生えることもあります。
大切なのは「焦らないこと」
「もぬけの殻」状態の生徒に対しては、一度の声かけやアプローチで大きな変化を期待するのは難しいことです。時間をかけて少しずつ心を開いていく姿勢が重要です。
特に、否定や押し付けをしないこと。生徒が自分のペースで「やってみようかな」と思えるまで待つ忍耐も必要です。そして、その小さな前進を見逃さずに大いに褒めてあげることを忘れないでください。
最後に
「もぬけの殻」状態の生徒も、実は内心では変わりたいと思っていることが多いです。ただ、その方法やきっかけが見つからないだけ。大人は、生徒が再び自分の力で歩み始めるまでの橋渡し役として、温かく見守り、手助けをしてあげることが大切です。少しずつでも良いので、生徒が自分の殻を破る瞬間を一緒に待ちましょう。