知ってますか? 宇宙のナゾを追え!“すばる望遠鏡”が見た宇宙の果て (シリーズ第5回:今までの世界に誇れる日本の科学技術)
★ ハワイにある“日本の目”
「すばる望遠鏡」――この名前、聞いたことがありますか?
ハワイのマウナケア山の山頂、海抜4200メートルの場所にある、日本が誇る世界最大級の天体望遠鏡です。
実はここ、空気がとてもきれいで、雲もほとんどない“星を見るのに世界一の場所”なんです。
すばる望遠鏡は、そこで夜空をじっと見つめながら、宇宙のナゾを解き明かすために働いている日本の“目”なんですよ。
★ 「すばる」ってどんな望遠鏡?
すばる望遠鏡は、国立天文台が中心となって作られ、1999年から観測を始めました。
その直径はなんと 8.2メートル!
これは、学校の教室よりも大きな鏡を使って、遠くの星や銀河の光を集める仕組みです。
この大きな鏡と、細かく動かせる制御技術によって、
100億光年以上も離れた銀河(=宇宙の“はじまり”に近い星々)まで見えるのです。
まるでタイムマシンのように、宇宙の過去をのぞくことができるのがすばる望遠鏡のすごいところ!
◆ 世界を驚かせた“日本の観測技術”
すばる望遠鏡は、ただ大きいだけではありません。
その“観測の正確さ”と“画像のきれいさ”は世界でもトップクラス。
たとえば――
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・宇宙の中で銀河がどのように生まれるかを観測
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・暗黒物質(ダークマター)の分布を調べる
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・太陽系の外にある惑星(系外惑星)の発見にも貢献
など、たくさんの世界的な成果を上げています。
海外の天文学者も「すばるのデータは信頼できる」として、
世界中から観測の申し込みが殺到しています。
● “ハワイにあるけど、日本のチームが動かす”
「ハワイにあるのに、どうして日本の望遠鏡なの?」と思うかもしれませんね。
実は、場所はハワイですが、設計・開発・観測・分析は日本の研究者が担当しています。
日本の技術力と努力が、太平洋を越えて宇宙を見上げているんです。
今でも、東京都三鷹市の「国立天文台」からリモートで望遠鏡を動かし、
観測したデータを日本に送って分析しています。
まさに、地球と宇宙をつなぐ日本の技術です。
◆ 未来へ――さらに広がる宇宙の研究
すばる望遠鏡は今も進化中。
「ハイパー・スプリーム・カム(HSC)」という超高性能カメラを使って、
宇宙の広い範囲を一気に撮影する観測も行っています。
さらに、日本は「TMT(Thirty Meter Telescope)」という、
すばるの約4倍の直径を持つ新しい巨大望遠鏡の開発にも参加しています。
これが完成すれば、人類が見たことのない宇宙の姿が明らかになるかもしれません。
★ 子どもたちへのメッセージ
夜空を見上げるとき、
その向こうには“日本の技術”で見ている宇宙がある。
それって、ちょっとワクワクしませんか?
「星を見たい」「宇宙を知りたい」という気持ちが、
日本を代表する世界レベルの望遠鏡を生み出しました。
みんなの中にも、“宇宙を見たい!”という夢が、
未来のすばるを作る力になるかもしれません。
★まとめ
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・すばる望遠鏡は日本が作った世界最大級の望遠鏡
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・ハワイで宇宙の果てを観測し、世界の研究に貢献
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・日本の技術と情熱が、宇宙の謎を解き明かしている
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・“宇宙を見上げる心”が未来の科学を育てる

