思考が「どこかに行ってしまっている」生徒たちへ
勉強中、目の前で先生が一生懸命解説をしていても、生徒の思考が別の方向に飛んでしまっていることがあります。そういったとき、生徒の反応は特徴的です。たとえば、目の焦点が合っていなかったり、返事がその場にそぐわないものだったり。これはまさに、思考が今ここにない状態です。
なぜ思考が「あっちに行く」のか?
このような状態になる原因はさまざまです。
- ・疲れやストレス:長時間の勉強や、日々の生活の疲れが影響している場合があります。
- ・勉強への抵抗感:そもそも勉強が嫌いで、目の前の解説に興味が持てない。
- ・集中力の欠如:スマホやゲームなど、日常的に短時間で切り替わる情報に慣れすぎて、集中する習慣がない。
これらの理由から、目の前の解説を聞いても頭に入らない状態になりやすいのです。
見逃せない特徴
こういった生徒たちの様子には、いくつかの共通点があります。
- 1.目がうつろ:目の焦点がどこにも合っておらず、話している先生を見ていない。
- 2.返事が適当:解説の内容とはかけ離れた返事をしてしまう。
- 3.同じ質問を繰り返す:数秒前に解説したことすら覚えておらず、また同じ質問をする。
これらの特徴が見られるとき、どんなに全力で解説しても、その効果は期待できないのです。
どう対処するか?
こうした生徒に対して、ただ解説を繰り返すのは、残念ながら時間の無駄になることがあります。では、どうすれば良いのでしょうか?
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1.まず思考を「今ここ」に引き戻す
解説を始める前に、生徒の注意をこちらに向けることが重要です。たとえば、簡単な質問をしてみたり、「今、何を考えていた?」と問いかけてみるのも良いでしょう。 -
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2.短い解説を小分けにする
長い解説は集中力をさらに削いでしまいます。短い説明を区切りながら行い、その都度確認することで理解を深めることができます。 -
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3.自分で考える時間を作る
解説を聞くだけではなく、生徒自身が手を動かし、考える時間を作ることで、思考を戻しやすくなります。 -
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4.声のトーンや表情を使う
生徒の目線や反応が薄いときは、話し方や表情に変化をつけることで、注意を引くことができます。単調な説明ではなく、少しでも興味を引く工夫をしてみましょう。
最後に
思考が「あっちに行ってしまう」生徒たちは、決してやる気がないわけではありません。ただ、何らかの原因で集中するのが難しい状態になっているだけです。先生や大人が一度足を止めて、生徒のペースに合わせることが重要です。
勉強を教えるというのは、ただ解説するだけではなく、生徒の思考を「今ここ」に引き戻すところから始まるのかもしれません。焦らず、じっくり向き合いましょう。