なぜ成績が良くない生徒ほど、すぐに問題を解きたがるのか?
塾や学校で成績が振るわない生徒に共通して見られる傾向の一つとして、「とにかく問題を解きたがる」というものがあります。インプットが不足しているにも関わらず、アウトプットに突っ走ってしまう姿は、教える側から見ると少し不思議に感じることがあります。
インプットとアウトプットのバランス
勉強とは、まず「知識を得るインプット」を行い、その知識を活用して「問題を解くアウトプット」をすることで成り立ちます。しかし、アウトプットばかりに目を向け、インプットをおろそかにしてしまうと、どうしても結果が伴いません。たとえるなら、地図を持たずに目的地に向かおうとするようなものです。
なぜすぐに問題を解きたがるのか?
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1.目に見える成果を求める
問題を解くことで「勉強をした」という達成感を得られるからです。しかし、それはあくまで「やった気になっている」だけで、正しい学びには結びつきません。 -
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2.インプットを面倒くさがる
テキストを読んだり、先生の話を聞いたりするインプットは、集中力や根気が求められる作業です。問題を解く方が「楽しく感じる」ため、ついそちらに逃げてしまうのです。 -
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3.手っ取り早く結果を見たい
「とりあえず解けば、何か覚えられるかも」という安易な考え方で進めてしまいます。ですが、この方法では間違えた箇所が記憶に残り、逆効果になることも少なくありません。 -
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4.勉強のプロセスを知らない
勉強の基本的なプロセスである「理解(インプット)→応用(アウトプット)」の流れを理解していないことも理由の一つです。このプロセスを知らないため、アウトプットばかりに目を向けてしまいます。
アウトプットばかりでは成績が伸びない理由
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・ミスを修正できない
インプットが不十分なままアウトプットを繰り返しても、同じミスを繰り返すだけです。 -
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・基礎が定着しない
基礎知識がないと、問題の背景や意図を理解できず、表面的な解き方しか身につきません。 -
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・時間の無駄になる
インプット不足で問題を解こうとするのは、効率の悪い勉強方法です。その時間をしっかりインプットに使えば、短時間で正しい成果が得られます。
インプットとアウトプットをバランス良く行うには?
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1.基礎を学ぶ時間を確保する
問題を解く前に、まずテキストを読んだり、授業で学んだ内容を復習する時間を作りましょう。 -
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2.間違いを記録する
解いた問題でミスをした場合、その原因を分析してノートに記録しましょう。これが新たなインプットになります。 -
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3.「覚える→試す」を繰り返す
一度に大量の問題を解こうとせず、小さな範囲で「覚える→解く→復習する」というサイクルを回しましょう。 -
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4.勉強の目的を理解する
問題を解くのは、知識を確認するための手段であることを認識しましょう。インプットなしのアウトプットでは、良い結果は得られません。
最後に
「問題を解く」ことは、勉強の最終ステップです。しかし、そのステップに進む前に、「何を覚えるべきか」「どのように解けば良いか」をしっかり学ぶ必要があります。アウトプットばかりに頼る勉強法は、いわば逆立ちして歩こうとしているようなもの。正しい順序を守り、効率よく学びを進めていきましょう。