知ってますか? 量子コンピュータが切りひらく“超スピードの未来” (シリーズ第12回:これからの世界に誇れる日本の科学技術)
■「量子コンピュータ」って、どんなコンピュータ?
今みんなが使っているパソコンやスマホ。
それも立派なコンピュータですが――
「量子コンピュータ(りょうしコンピュータ)」 は、それをはるかに超える“未来型の頭脳”なんです!
ふつうのコンピュータは、
情報を「0」と「1」で表して、順番に計算していきます。
でも量子コンピュータは、
なんと「0と1を同時に考えられる」――つまり、一度にたくさんの計算を並行してできるのです!
■ どれくらい速いの?
たとえば、スーパーコンピュータでも何千年かかるような計算を、
量子コンピュータならたった数分で終わらせることができるとも言われています。
つまり、「人間の想像を超えるスピード」!
しかも、同時に何千通りもの答えを試せるので、
「正解を探すのが得意」なコンピュータでもあります。
■ 日本も世界最先端の研究国!
量子コンピュータというとアメリカやカナダの印象が強いですが、
実は日本もこの分野で世界をリードしています。
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・理化学研究所(理研):独自の「量子デバイス」や「量子回路」を開発。
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・NTT:量子光技術を使って超安定な通信を実現。
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・東京大学・大阪大学・産総研:量子コンピュータを動かすためのソフトや理論を研究。
日本の強みは、“小型で高性能な部品”を作る精密技術力にあります。
だから、世界中の量子コンピュータの中にも日本の技術が使われているんです。
■ どんなことに役立つの?
量子コンピュータが実用化されると、今の社会が大きく変わります。
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・ 病気の新しい薬を数日で開発
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・ 天気や地震の予測をより正確に
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・ 自動運転や交通の最適化
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・遺伝子の解析や新素材の発見
つまり、人の命・生活・地球の未来まで支える技術になるのです。
■ 量子技術は「通信」や「暗号」にも!
日本では、量子のしくみを使って「絶対に盗まれない通信」をつくる研究も進んでいます。
これは量子暗号通信と呼ばれ、
すでに東京と大阪の間で実験的にデータを送ることにも成功しています。
将来、国の安全を守る仕組みにも使われるかもしれません。
つまり、量子技術は“未来のコンピュータ”であると同時に、未来の盾でもあるのです。
★ 子どもたちへのメッセージ
量子コンピュータの世界は、まだ“わからないことだらけ”。
でも、それこそが科学の面白いところです。
日本の研究者たちは、
「この小さな粒(りゅうし)の中に、無限の可能性がある」と信じて、
毎日コツコツと研究を続けています。
「なんで?」「どうして?」という疑問を大事にすること。
その気持ちが、未来の新しい発見につながる第一歩です!
●まとめ
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・量子コンピュータは「0と1を同時に考えられる」超高速の頭脳
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・日本は理研・NTTなどが世界最先端の研究を進めている
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・医療・防災・通信など、未来の社会を変える力を持つ
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・「なんで?」と思う心が未来の科学を育てる

