塾長ブログ

2025/07/03
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光はなぜブラックホールから逃げられない? ~「光速を超える重力」ってどういう意味?をやさしく解説~

はじめに:ブラックホールの「真っ黒」な理由を知ろう


「ブラックホールは何でも吸い込む」
「光さえ逃げられない」


こう聞くと、「なんで?」「どういうこと?」って思いませんか?


今回は、「光がブラックホールから出られないのはなぜか」を、理科が苦手でもイメージしやすいようにやさしく解説します。



① そもそも“光”は止まらない


まず大事なのは、光も「物」や「エネルギー」だということ


光には質量はありませんが、進む速さは「秒速約30万km」(光速)で一定です。
止まったり加速したりはできず、曲がるのも重力の影響を受けたときだけ。



② 重力は光の進む「道」を曲げる


重力は、単に「引っ張る力」ではなく、空間そのものをゆがめる力と考えられています。


イメージ:

  • ・重いボウリングの球を布の上に置くと、布がへこむ

  • ・軽いビー玉を転がすと、そのへこみに沿って曲がる


同じように、重い天体は空間をへこませ、光の進む道(=光の経路)を曲げます



③ ブラックホールは「底なしのすり鉢」


普通の星や惑星も空間をへこませますが、ブラックホールはものすごい重さが小さな点に集中しているので、へこみが極端。


イメージ:

  • ・ちょっと重い星 → すり鉢状

  • ・ブラックホール → ほぼ「底なし」の穴


この「底なしのすり鉢」からは、どの角度でも光は登って出て来られません



④ 「脱出速度」が光速を超えるって?


物を重力から振り切って飛ばすには、ある速さが必要です。
これを「脱出速度」といいます。


例:

  • ・地球から飛ぶなら約11km/秒

  • ・太陽なら約617km/秒


ブラックホールの近くでは、脱出速度が光速を超えます
でも光の速さは絶対にそれ以上にはなれないので、もう外に出られないんです。



⑤ 光が「止められる」のではなく「戻れない」


ここが大事なポイント:

  • ・光が引っ張られて止まるわけじゃない

  • ・空間がゆがみすぎて、光がどの方向に進んでも戻って来られない


イメージ:

  • ・普通の星 → すり鉢を登れば出られる

  • ・ブラックホール → 穴が深すぎてどこに行っても登れない



⑥ だから“ブラック(黒)ホール”


光が一切外に出られない=何も光を放たないので真っ黒


これが「ブラックホール」と呼ばれる理由です。


周りを回るガスなどが落ち込むときには、ものすごいエネルギーを出すので「周辺は明るい」こともありますが、本体からは何も出てこないんです。



おわりに:難しくてもイメージしてみよう!


「光が逃げられない」って難しい話に聞こえるけど、


✅ 重力が空間をゆがめる
✅ へこみが深すぎると出られない
✅ 光は速さを変えられない


この3つを組み合わせれば、「あ、だから光も出られないんだ!」と理解できます。

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