地球の空気はなぜ宇宙に放出されないのか?
私たちが普段何気なく吸っている 「空気」 。
でもふと考えてみると、「地球の空気はなぜ宇宙に逃げていかないの?」という疑問が湧いてきます。
地球には重力があるから…と聞いたことがあるかもしれませんが、それなら「宇宙風」みたいなものが吹いたら飛ばされないのでしょうか?
今回はこの 「地球の空気はなぜ宇宙に行かないのか?」 について考えてみたいと思います。
地球の空気は何によってとどまっているのか?
答えは 「重力」 です!
✅ 地球の重力が空気を引き寄せている
✅ 空気の分子が十分な速度を持たないため、宇宙に逃げられない
地球はとても大きな質量を持っているため、万有引力 によって空気の分子を引きつけています。
空気の分子は 常に動いて いますが、地球の引力が十分に強いため 宇宙へ逃げるほどの速度を持つことができない のです。
宇宙に逃げるためには「脱出速度」が必要!
物体が地球の引力を振り切って宇宙へ行くには、「脱出速度」 というものがあります。
これは 地球の重力を振り切るために必要な速度 です。
☆ 地球の脱出速度
✅ 時速 約4万km(秒速 約11.2km)
例えば、ロケットが宇宙へ行くときは 秒速11.2km以上 の速度を出さないと、再び地球に引き戻されてしまいます。
では、空気の分子(窒素や酸素など)はどうでしょう?
✅ 窒素(N₂)や酸素(O₂)の速度 → 平均秒速 約0.5km
✅ 水素(H₂)やヘリウム(He)の速度 → 秒速 5km 以上
空気を構成する主な成分である 窒素や酸素は、脱出速度に比べてはるかに遅いため、宇宙へ逃げることができません。
しかし、水素やヘリウムのような軽い気体は、速度が速く、徐々に宇宙へと逃げていきます。
では、「宇宙風」が吹いたら空気は飛ばされるのか?
結論から言うと、宇宙風(太陽風)では空気は吹き飛ばされません。
★太陽風とは?
✅ 太陽から放出される 高エネルギーの粒子(プラズマ) の流れ
✅ 地球にも常に吹き付けている
「じゃあ、宇宙風が吹いたら地球の空気が宇宙に飛ばされるのでは?」と思うかもしれませんが、それを防いでいるのが 地球の「磁場」 です。
地球の磁場がバリアになっている!
地球の内部にある 液体の鉄のコア(外核) が対流することで、地球の周りに 磁場(磁気圏) を作り出しています。
✅ この磁場が宇宙風(太陽風)を跳ね返す役割を果たしている!
✅ もし地球に磁場がなかったら、太陽風によって大気が吹き飛ばされてしまう可能性がある!
実際、火星はほぼ大気を失ってしまいました 。
火星には 地球のような強い磁場がないため、太陽風の影響をダイレクトに受け、大気が宇宙へと奪われた と考えられています。
まとめ:地球の空気が宇宙に逃げない理由
✅ 地球の重力が空気を引き留めている
✅ 空気の分子(窒素や酸素)は十分な速度を持たず、宇宙へ逃げられない
✅ 磁場が太陽風を跳ね返し、大気が吹き飛ばされるのを防いでいる
つまり、
☆「地球の重力と磁場のコンビネーションのおかげで、空気が宇宙に逃げない」
というわけです!
もし、地球の磁場が弱まる ようなことがあれば、数百万年単位の時間で 火星のように大気が薄くなってしまうかもしれません…。
地球の空気が 「当たり前のようにある」 のは、実はとても奇跡的なことなのかもしれませんね!