塾長ブログ

2024/11/30
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英単語を日本語で覚えると失うもの――ニュアンスとイメージを大切に

英語の勉強をする中で、英単語を日本語の意味で覚えようとする生徒は多いと思います。例えば、「run=走る」「book=本」といった具合に、英単語と日本語を1対1で対応させる方法です。このやり方自体が間違っているわけではありませんが、英語という異なる言語を理解するうえで、この方法だけでは本来の意味を十分に捉えることができない場合があります。

今回は、英単語を覚える際に意識したい「ニュアンス」と「イメージ」の重要性について考えてみましょう。



1. A=Bでは捉えきれない英語の世界


 英語と日本語は、そもそも異なる文化や考え方を反映している言語です。そのため、「A=B」という単純な置き換えではニュアンスや意味の広がりを捉えきれません。


1.1 「run」の例

 日本語では「run=走る」と覚えますが、英語の「run」には「水が流れる」「機械が動く」「計画を運営する」など、多くの意味が含まれています。これらの意味は、「動き」や「連続性」といった共通のイメージを基に派生しています。


1.2 「light」の例

 「light=光」と覚えると、電灯の光や日光をイメージしますが、「軽い」という意味や「気楽な」というニュアンスもあります。これも、「軽さ」「明るさ」という共通のイメージが根底にあるためです。



2. 英単語のニュアンスを大事にする理由


2.1 文脈による意味の違いを理解するため

 英単語は、文脈によって意味が変わることが多々あります。例えば:

  •  ・run a company → 会社を経営する
  •  ・run out of time → 時間がなくなる

 日本語訳に頼らず、単語が持つ「動き」や「流れ」のイメージをつかむと、こうした意味の違いも自然に理解できるようになります。


2.2 英語らしい表現力を身につけるため


 英単語のニュアンスやイメージを理解すると、自分で英文を作るときに表現の幅が広がります。例えば、「bright=明るい」と覚えるだけではなく、「頭が良い」や「希望に満ちた」というニュアンスも学ぶと、より自然な英語が使えるようになります。



3. 英単語をイメージで覚える方法


3.1 絵や写真を活用する

 単語の意味を覚えるときに、日本語訳を見るだけでなく、関連する絵や写真を見ると、単語のイメージが頭に残りやすくなります。


3.2 実際の文章や会話で使う

 単語単体で覚えるよりも、実際の文章や会話の中で使うことで、単語のニュアンスや使い方を自然と身につけることができます。


3.3 関連する単語を一緒に覚える

 例えば、「run」と一緒に「flow(流れる)」や「move(動く)」など、似たニュアンスを持つ単語を覚えると、言葉のイメージが広がります。



4. 日本語訳はあくまでサポート


 もちろん、英単語を覚える際に日本語訳が不要というわけではありません。しかし、日本語訳に頼りすぎると、以下のようなデメリットが生じる可能性があります:

  •  ・文脈による意味の変化に対応できない。
  •  ・単語が持つ感情やニュアンスが伝わらない。

 日本語訳はあくまで「サポート」として使い、英単語そのものが持つニュアンスやイメージを直接理解することを目指しましょう。



まとめ


英語の単語を覚えるとき、「A=B」という形で覚えるだけでは、本来の意味やニュアンスを見失ってしまうことがあります。英単語が持つイメージやニュアンスを理解することで、言葉の広がりや使い方をより深く学べるようになります。

「日本語訳がないと覚えられない」と思い込まず、ぜひ「英語そのものを理解する」という視点を持って単語学習に取り組んでみてください。新しい視点を得ることで、英語の学びが一段と楽しくなるはずです!

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