暗黒物質（dark matter）は、宇宙の構造の形成と進化に重要な役割を果たしていると広く考えられているが、直接観測することができない謎の物質です。以下は暗黒物質についての基本的な特性と理解です。

観測できない: 暗黒物質は、可視光や他の電磁波と相互作用しないと考えられているため、望遠鏡などで直接観測することはできません。

重力の影響を与える: ただし、暗黒物質は重力と相互作用すると考えられているため、その存在は銀河などの天体の動きに影響を与えます。銀河の回転曲線や銀河団のダイナミクス、そして宇宙背景放射線の揺らぎなど、多くの観測結果が、暗黒物質が存在することを示しています。

宇宙の質量の大部分: 宇宙の全エネルギー・密度の約27%を暗黒物質が占めていると推定されています。これは、宇宙の通常の物質（星、ガスなど）よりもはるかに多い量です。

性質の不明: 暗黒物質の正体や粒子の性質はまだ明らかにされていないのが現状です。多くの理論が提案されており、素粒子実験などでその性質を探る研究が進められていますが、決定的な証拠はまだ得られていません。

暗黒物質の概念は、我々の宇宙についての理解を深めるために極めて重要です。銀河の形成や進化、宇宙の大規模構造など、宇宙の様々な側面を説明するには暗黒物質の存在が不可欠とされています。未だに多くの謎に包まれているため、暗黒物質に関する研究は現代の天文学と物理学における最も興味深い課題の一つです。