第2回|「勉強しなさい」が、親子を苦しくしてしまう理由 ―言葉の奥にある、本当のすれ違い―
「勉強しなさい」
この言葉を、
一度も使ったことがない保護者の方は、ほとんどいないでしょう。
言いたくて言っているわけではない。
分かっているけれど、他に言い方が分からない。
気づいたら、口から出てしまっている。
その結果、
空気が重くなり、
子どもは黙り込み、
親も後味の悪さだけが残る。
こうした場面は、多くのご家庭で起きています。
●「勉強しなさい」は、正論です
最初に、誤解のないようにお伝えします。
「勉強しなさい」という言葉は、間違っていません。
勉強は大切ですし、
将来の選択肢を広げるためにも必要です。
親として、
それを伝えようとすること自体は、
とても自然で、正しい行動です。
●それでも、うまくいかない理由
では、なぜ
「正しい言葉」が
親子関係を苦しくしてしまうのでしょうか。
理由は、とてもシンプルです。
子どもにとって、「勉強しなさい」は
“指示”であって、“助け”ではないからです。
●子どもの頭の中で起きていること
「勉強しなさい」と言われた瞬間、
子どもの頭の中では、次のようなことが起きています。
-
・何をすればいいのか分からない
-
・どう始めればいいのか分からない
-
・できない自分を責められている気がする
つまり、
行動に必要な情報が、何も与えられていない状態です。
この状態で動けないのは、
やる気がないからではありません。
●言葉が「評価」に聞こえてしまう
保護者の方は、
「行動を促したい」だけかもしれません。
しかし子どもには、
こう聞こえてしまうことがあります。
-
・まだやっていないの?
-
・どうしてできないの?
-
・怠けているよね?
言葉そのものよりも、
そこに含まれている“評価”を感じ取ってしまうのです。
●繰り返されるほど、逆効果になる
「勉強しなさい」が
何度も繰り返されると、
子どもは次第にこう考えます。
-
・どうせ何をやっても怒られる
-
・言われる前に逃げたい
-
・勉強=嫌なもの
結果として、
勉強から距離を取るようになります。
これは反抗ではありません。
自分を守る反応です。
●親が悪いわけではありません
ここまで読んで、
「自分が悪かったのか」と
感じた方もいるかもしれません。
しかし、
その必要はありません。
多くの保護者の方が、
同じように悩み、
同じ言葉を使い、
同じ壁にぶつかっています。
構造の問題なのです。
●大切なのは「行動」ではなく「状態」
子どもが勉強しないとき、
親はつい
「行動」を変えさせようとします。
しかし、本当に必要なのは、
子どもの“状態”を理解することです。
-
・分からなくて止まっている
-
・失敗が怖い
-
・自信がなくなっている
この状態を無視したままでは、
どんな言葉も届きません。
●この先の話をするために
この第2回では、
「なぜうまくいかないのか」
を整理しました。
次回からは、
ではどう関わればよいのか
という話に進んでいきます。
次回予告
第3回|成績が伸びない本当の原因は、努力不足ではありません

