塾長ブログ

2025/11/03
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知ってますか? 軽いのに強い!“カーボンファイバー”が世界を飛ばす (シリーズ第4回:今までの世界に誇れる日本の科学技術)

● テニスラケットや自転車に使われている“黒い素材”

みなさんは、テニスラケットや自転車、ゴルフクラブなどに使われている“黒っぽいツヤのある素材”を見たことがありますか?
あれは、ただのプラスチックではありません。
実は―― 「カーボンファイバー(炭素繊維)」 と呼ばれる、とても軽くて強い日本生まれの素材なんです!



◆ カーボンファイバーってどんなもの?


カーボンファイバーとは、“炭素(カーボン)”だけでできた、とても細い繊維。
髪の毛の1/10ほどの細さしかないのに、鉄の約10倍の強さを持っています。
それでいて、重さは鉄の約1/4。
つまり、軽くて強い“夢の素材” なのです!



■ 日本が世界をリードしてきた“素材革命”


このカーボンファイバーの研究を本格的に進めたのが、日本の企業でした。
1960年代、東レ・三菱ケミカル・帝人などの会社が世界に先がけて開発を成功。
今では、世界で使われるカーボンファイバーの7割以上が日本製 と言われています。


飛行機、ロケット、車、建物、風力発電の羽根など、
世界のあらゆる分野で「日本のカーボン」が活躍しているのです。



◆ 空を飛ぶための“軽さと強さ”


飛行機のボディを鉄やアルミで作ると重すぎて、たくさん燃料を使ってしまいます。
でも、カーボンファイバーを使えば、軽くて丈夫だから燃費が良く、地球にもやさしい


実際に、ボーイング社の最新型旅客機「787」では、
機体の半分以上に日本製のカーボンファイバーが使われています。
このおかげで飛行距離が伸び、CO₂の排出量も大きく減らせました。



★ スポーツや医療の世界でも大活躍!


  • ・テニスラケットや野球バット → 軽くてしなやか、パワーアップ!

  • ・自転車 → 軽くてスピードが出やすい

  • ・車イスや義足 → 軽くて強く、動きやすい


どの分野でも、カーボンファイバーは「人の力を引き出す素材」として役立っています。



◆ 未来を支える“日本の素材力”


今、世界では「宇宙エレベーター」や「超軽量電気自動車」など、
“軽くて強い素材”を求める新しい挑戦 がどんどん進んでいます。
その中心にいるのが、日本の研究者たち。
「もっと強く」「もっと軽く」「もっと環境にやさしく」――
カーボンの可能性はまだまだ広がっています。



★ 子どもたちへのメッセージ


“素材の力”は、見えないところで世界を支えています。
日本の技術者たちは、「どうすればもっと良くなるか?」を考え続けて、
毎日、地道な研究を積み重ねてきました。


「目立たないけど、世界を変えている」――それが日本の科学のすごさ。
みんなも、身のまわりのモノに「どんな素材が使われてるんだろう?」と興味をもつことから始めてみましょう!



★まとめ


  • ・カーボンファイバーは軽くて強い、日本発の“夢の素材”

  • ・飛行機・スポーツ・車・医療などで世界中が活用

  • ・日本の技術が“地球にもやさしい未来”を支えている

  • ・見えないところにこそ、すごい科学がある!

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