塾長ブログ

2025/07/29
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ダークマターを見つけようとしている実験ってどんなもの? ~“見えないけれど、確かにある”を科学でつかまえる挑戦~

◆ 見えないけれど「ある」と信じられているダークマター


前回のブログでは、「風は感じられるけど、ダークマターは感じられない」というお話をしました。
では、その“感じられないダークマター”を、科学者たちはどうやって見つけようとしているのでしょうか?


まさに今、世界中でいろいろな“本気の実験”が行われているのです!



◆ どうやって「見えないもの」を見つけるの?


ダークマターは、光も反射しない、電気も通さない、普通の物質とほとんど反応しない…
でも、たった一つ、反応してくれる“可能性”があるのが「重力」や「ごくまれな衝突」なんです。


つまり、

  • ・「もしかしたら1億回に1回くらい、物質とぶつかるかも…?」

  • ・「それを超高感度の装置で“キャッチ”できたら…!」


そんなロマンあふれる実験が世界中で行われています。



◆ どんな実験があるの?


① 【地下実験】超静かな場所で、そっと待ちかまえる!


世界各地の深い地下では、ダークマターを見つけるための装置がひっそりと動いています。
たとえば…

  • ・XENONnT(イタリア)

  • ・LUX-ZEPLIN(アメリカ)

  • ・PandaX(中国) など


これらは、液体キセノンなどを使って、ほんのわずかな衝突の痕跡(光や電気)をキャッチしようとする実験です。


地下にあるのは、宇宙線などの“雑音”から守るため。
まるで宇宙からくる“ささやき”を聴くような、繊細な挑戦です。



② 【加速器実験】ぶつけて作る!ダークマター生成の可能性


スイスにある有名な実験施設、CERN(セルン)の「LHC(大型ハドロン衝突型加速器)」では、
超高速で粒子をぶつけて、新しい粒子を“生み出す”実験が行われています。


もし、ぶつけた結果「エネルギーが足りない!」となれば、
→ その“消えたエネルギー”こそがダークマターだったのでは?
…と考えられるのです。



③ 【宇宙観測】ダークマターが宇宙に与える影響を調べる


直接触れられなくても、ダークマターの“重力”による影響を見つける方法もあります。

  • ・銀河の動きや形

  • ・宇宙背景放射のゆらぎ

  • ・“重力レンズ”で光が曲がる様子


これらを宇宙望遠鏡や衛星で観測することで、
「ここに“見えない質量”があるぞ!」と間接的に見つける研究も進んでいます。



◆ なぜそこまでして見つけたいの?


ダークマターがわかると、

  • ・宇宙がどうやって生まれたのか

  • ・星や銀河がどうやってできたのか

  • ・宇宙の未来はどうなるのか


といった、宇宙最大のナゾに近づくカギになります。


だから世界中の科学者が、
「見えない敵を探す名探偵」みたいに挑んでいるのです!


◆ まとめ|科学は“まだ見ぬ世界”への冒険!


ダークマターの正体は、まだ完全にはわかっていません。
でも、それを本気でつかまえようとしている科学の姿は、
まるで宇宙規模の冒険物語のようです。


「見えないけど、あるはず」
→ 科学は、そこから始まるワクワクなんですね。

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