ダークマターを見つけようとしている実験ってどんなもの? ~“見えないけれど、確かにある”を科学でつかまえる挑戦~
◆ 見えないけれど「ある」と信じられているダークマター
前回のブログでは、「風は感じられるけど、ダークマターは感じられない」というお話をしました。
では、その“感じられないダークマター”を、科学者たちはどうやって見つけようとしているのでしょうか?
まさに今、世界中でいろいろな“本気の実験”が行われているのです!
◆ どうやって「見えないもの」を見つけるの?
ダークマターは、光も反射しない、電気も通さない、普通の物質とほとんど反応しない…
でも、たった一つ、反応してくれる“可能性”があるのが「重力」や「ごくまれな衝突」なんです。
つまり、
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・「もしかしたら1億回に1回くらい、物質とぶつかるかも…?」
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・「それを超高感度の装置で“キャッチ”できたら…!」
そんなロマンあふれる実験が世界中で行われています。
◆ どんな実験があるの?
① 【地下実験】超静かな場所で、そっと待ちかまえる!
世界各地の深い地下では、ダークマターを見つけるための装置がひっそりと動いています。
たとえば…
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・XENONnT(イタリア)
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・LUX-ZEPLIN(アメリカ)
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・PandaX(中国) など
これらは、液体キセノンなどを使って、ほんのわずかな衝突の痕跡(光や電気)をキャッチしようとする実験です。
地下にあるのは、宇宙線などの“雑音”から守るため。
まるで宇宙からくる“ささやき”を聴くような、繊細な挑戦です。
② 【加速器実験】ぶつけて作る!ダークマター生成の可能性
スイスにある有名な実験施設、CERN(セルン)の「LHC(大型ハドロン衝突型加速器)」では、
超高速で粒子をぶつけて、新しい粒子を“生み出す”実験が行われています。
もし、ぶつけた結果「エネルギーが足りない!」となれば、
→ その“消えたエネルギー”こそがダークマターだったのでは?
…と考えられるのです。
③ 【宇宙観測】ダークマターが宇宙に与える影響を調べる
直接触れられなくても、ダークマターの“重力”による影響を見つける方法もあります。
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・銀河の動きや形
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・宇宙背景放射のゆらぎ
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・“重力レンズ”で光が曲がる様子
これらを宇宙望遠鏡や衛星で観測することで、
「ここに“見えない質量”があるぞ!」と間接的に見つける研究も進んでいます。
◆ なぜそこまでして見つけたいの?
ダークマターがわかると、
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・宇宙がどうやって生まれたのか
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・星や銀河がどうやってできたのか
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・宇宙の未来はどうなるのか
といった、宇宙最大のナゾに近づくカギになります。
だから世界中の科学者が、
「見えない敵を探す名探偵」みたいに挑んでいるのです!
◆ まとめ|科学は“まだ見ぬ世界”への冒険!
ダークマターの正体は、まだ完全にはわかっていません。
でも、それを本気でつかまえようとしている科学の姿は、
まるで宇宙規模の冒険物語のようです。
「見えないけど、あるはず」
→ 科学は、そこから始まるワクワクなんですね。