第1回|得意・不得意は、生まれつき決まっているのか? ―多くの人が誤解している「才能」の話―
人には、得意なことと不得意なことがあります。
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・勉強が得意な人
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・スポーツが得意な人
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・人前で話すのが得意な人
一方で、
「これはどうしても苦手だ」
「頑張ってもできない」
と感じていることを、誰もが一つは抱えています。
では、ここで一つ、
とても大切な問いを考えてみましょう。
得意・不得意は、生まれつき決まっているものなのでしょうか。
●「才能がある人」という言葉の正体
私たちはよく、
「あの人は才能がある」
「自分には才能がない」
という言葉を使います。
しかし、この言葉はとても便利で、
同時にとても危険です。
なぜなら、
考えることを止めてしまうからです。
「才能があるからできる」
「才能がないからできない」
この考え方は、
一見、現実的に見えますが、
本当でしょうか。
●生まれた瞬間に、得意・不得意は決まっているのか
赤ちゃんが生まれたとき、
すでに
「この子は数学が得意」
「この子は英語が苦手」
と決まっているでしょうか。
そんなことは、ありません。
少なくとも、
学校の勉強レベルにおいては、
ほとんどの得意・不得意は後から作られます。
●では、なぜ差が生まれるのか
同じ授業を受け、
同じ教科書を使っているのに、
なぜ差が生まれるのでしょうか。
その大きな理由は、
「最初のつまずき」と「最初の成功体験」です。
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・たまたま最初に分かった
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・たまたま褒められた
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・たまたまうまくいった
この小さな出来事が、
「自分はできるかもしれない」
という感覚を生みます。
逆に、
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・最初に分からなかった
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・恥をかいた
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・比較されてしまった
こうした経験は、
「自分は苦手だ」
という印象を強く残します。
●得意・不得意は「事実」ではなく「認識」
ここで、とても重要なことがあります。
多くの人が言う
「得意」「不得意」は、
能力の事実ではなく、自分の中の認識です。
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・自分は向いている
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・自分は向いていない
この認識が、
その後の行動を大きく左右します。
●認識が、行動を決める
「自分は得意だ」と思っていることには、
人は積極的に取り組みます。
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・失敗しても続ける
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・工夫しようとする
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・時間をかけられる
一方で、
「自分は不得意だ」と思っていることには、
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・早く諦める
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・避ける
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・深く考えない
こうした行動を取りがちです。
結果として、
差はさらに広がっていきます。
●才能が差を生んだのではない
ここまで整理すると、
一つのことが見えてきます。
多くの場合、
差を生んだのは「才能」ではありません。
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・経験
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・認識
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・行動の積み重ね
これらが、
「得意・不得意」という形で
表に出てきているだけです。
●では、今さら変えられないのか
ここで、
多くの人がこう思います。
「でも、もう今さら遅いのではないか」
「もう不得意になってしまった」
次回以降、この問いに
正面から答えていきます。
結論だけ先に言えば、
今の得意・不得意は、
これからの成長を決めるものではありません。
●このシリーズで考えていくこと
このシリーズでは、
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・得意・不得意はどう作られるのか
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・思い込みは、どう成長を止めるのか
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・不得意をどう扱えばいいのか
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・どんな考え方が、人生を楽にするのか
こうしたことを、
一つずつ丁寧に整理していきます。
次回予告
第2回|「できた経験」と「できなかった経験」が、人を作る
―得意・不得意が生まれる本当の仕組み―

